真のクリーン化をめざす! 現場での効果的なクリーン化対策

クリーンサイエンスジャパン 代表 園田 信夫

構成

B5 並製本 223頁 動画【DVD】

分野

環境マネジメント > クリーン化技術

価格

55,000円 (税抜 50,000円) 1点 在庫あり

商品説明

書籍趣旨
 本著は「データで示す具体的で分かりやすい話」に主眼を置くことで、素朴な疑問の「ナゼ」に対して簡潔な解答と判断の根拠をコメントすることにより、奥深いクリーン化技術の世界と真剣に向かいあうチャンスとなれば嬉しい限りである。また、クリーンルーム、準クリーンルーム、あるいはクリーンルームがなくともクリーン化を目指すときの運用や管理の実践において、何が必要で何をやるべきかの具体的な指針を織り込むように心がけた。これについては、必要に応じて関連する画像や動画を示し解説を加えることで、文章で表現しにくい内容を補完するようにした。動画は説得力のある解説をするためには必要なツールである。一説では写真一枚で2000文字に相当すると言われているが、動画は文字による表現力を確実に上回り、理解するのに効果的である。しかしながら、動画にばかり頼ると直感では理解できるものの、そこから本質を探り当てるためには、どうしても文章による表現が必要不可欠であることには変わりない。

 著者がクリーン化技術に取り組んだ初期の頃は、1995年頃からの半導体産業が急成長したころであった。この時代の前工程(ウェーハプロセス)は、異物・塵埃を減らせば、その分、確実に不良率が低減できる時代であった。その次は、酸・アルカリ・有機溶剤、ゴム・プラスチックス類からの可塑剤など、クリーンルームに存在する殆どの薬液・材料から分子レベルの物質が飛散し製品不良の原因となる分子状汚染にも取り組んだ。このときの汚染防止管理濃度の目安はppm,ppbレベルである。これらはしっかりした表面分析技術を保有していないと、不良原因の追求や対策が極めて困難な世界である。次に、2002年頃以降に取り組んだクリーン化技術は、後工程(アセンブリプロセス)であった。このとき、後工程でのクリーン化技術が将来、当たり前となる予感のもと、Class1000~10000(Fed.209D)の導入および定着化に尽力してきた。また、静電気対策においては静電気の本質を追いかけると共に、現場における対策法や運用管理まで、教育と実践を続けてきた。この時代のクリーン化への取り組みは、関係した経営者・管理者は軽く見ていた。

 2005年以降はクリーン化の重要性も再認識され、半導体以外にも電子材料・電子部品産業の他、塗装分野や医薬・食品分野など、目視レベルの塵埃・異物対策は間違いなく裾野が拡がった。本著は目に見える大きさの塵埃・異物対策に主眼を置いたが、この時代に取り組んだ数々のデータを基に、新たに最近のデータや動画も加えた。更に、現場での管理や指導に関しても、門外漢ながら自論を述べさせていただいた。

 本著では、クリーン化技術を正しく理解し実践して貰うために、出来るだけ難しい表現を避け、平易で分かりやすく簡潔に執筆した。この趣旨を十分に理解頂いたうえで、自社のラインで活用し展開頂ければ幸甚である。

発刊日 2017年6月30日

発刊にあたって

著者
クリーンサイエンスジャパン 代表 園田 信夫 氏

内容紹介

目次

はじめに

第1章 クリーン化技術の基礎知識 
 1.1 クリーン化と異物・塵埃
 (1)微粒子と異物の定義
 (2)クリーンルームの考え方
 (3)クリーンルームの表示
 (4)発塵の考え方
 (5)塵埃対策に対する考え方
 (6)語源で見る塵埃と清浄の大きさと持つ意味
 (7)PM2.5に見る、浮遊粒子の形状
 (8)SPMとPM2.5
 (9)除塵対象の大きさのイメージ
 (10)クリーンルームへの外気の導入
 (11)クリーンルーム建設時の簡単なポイント
 (12)クリーンルームの簡単な説明
 (13)クリーンルームの役割
 (14)クリーン化の4原則
 1.2 異物や塵埃の動き
 (1)製造現場で見かける異物・塵埃
 (2)準クリーンルーム・一般作業室内へ侵入する塵埃
 1.3 塵埃の6大特徴
 1.4 塵埃の発生由来と付着・吸着の形態
 1.5 作業環境での発塵源
 1.6 化学汚染の基本について
 1.7 HEPAフィルターについて
 1.8 先端クリーン化技術の中核を支えるミニエンの基礎知識

第2章 データでみる異物や塵埃の動き
 2.1 通行人数と塵埃付着数
 2.2 Class10000クリーンルームでの塵埃
 2.3 塵埃の大きさと相関性
 2.4 各気流速度における塵埃の落下と移動
 2.5 粒子の大きさと落下時間
 2.6 気流による渦の発生
 2.7 扉の開閉による気圧の変化
 2.8 錆びた金属棒からの金属片の落下

第3章 発塵性の評価データとその意味
 3.1 パッケージエアコン(PAC)からの塵埃飛散
 3.2 材質の組合せによる発塵
 3.3 色々な紙類からの発塵
 3.4 皮膚からの発塵
 3.5 素手からの発塵とハンダペーストからの発塵
 3.6 こんな濁音が聞こえると発塵源
 3.7 身の回りの発塵物質
 3.8 Class1000レベルのクリーンルーム内の塵埃
 3.9 喫煙時の発塵
 3.10 床面からのパーティクルの舞い上がり
 3.11 通常の衣服生地の外観比較
 3.12 導電性手袋からの発塵
 3.13 作業手袋からの発塵
 3.14 化粧品やアクセサリーについて
 3.15 通常の紙類や鉛筆について
 3.16 簡易ミニエンのフィルターの効果
 3.17 エアブローと粘着ローラー異物・塵埃の除去効果の比較
 3.18 生地に付着した微粒子のエアブローと粘着ローラーの除去効果の比較
 3.19 電子部品チップのトレー上の異物
 3.20 リードフレーム用マガジンからの発塵
 3.21 大気中浮遊塵埃の付着

第4章 無塵服からの発塵
 4.1 無塵服服に求められる機能
 4.2 無塵服各部からの発塵
 4.3 組立工程の2ピース無塵服からの発塵
 4.4 市販の高清浄度のクリーンルームに対応する無塵服
 4.5 各作業動作で発生する無塵服内外の圧力差
 4.6 アメニティを追及したコンポジット系無塵服の評価
 4.7 無塵服の各部からの発塵
 4.8 自宅洗濯化を前提とした洗濯時の発塵評価
 4.9 導電性無塵服の洗濯回数と表面抵抗値の変化

第5章 拭き取り材について
 5.1 拭き取り材の機能
 5.2 拭き取り材(ワイピングクロス)
 5.3 ワイピングクロスの選定のポイント
 5.4 織布タイプのワイピングクロスの帯電
 5.5 マイクロファイバータイプの形状と帯電
 5.6 マイクロファイバータイプの拭き取り性能
 5.7 屋外曝露時付着異物の拭取り除去率

第6章 静電気について
 6.1 静電気の基礎
 6.2 静電気の3原則
 6.3 静電気の基本事項
 6.4 人体帯電と電撃の強さ
 6.5 静電気の摩擦帯電列
 6.6 静電気対策の基本となる減衰時間
 6.7 静電気対策品の抵抗値の範囲
 6.8 静電気と湿度の関係
 6.9 作業台周りの静電気対策のコンセプト
 6.10 無塵服着用時の腕振り歩行動作による人体の帯電
 6.11 カーペット上、靴の種類と人体帯電圧
 6.12 ネジ締め作業動作時の帯電電位
 6.13 乾空によるプラスチックチューブ材の帯電
 6.14 一般作業服の摩擦帯電比較
 6.15 器具備品の静電気対策例
 6.16 椅子の静電気対策
 6.17 掲示板の帯電電位
 6.18 ボールペンとキングファイルの静電気
 6.19 非導電床での台車走行時の帯電量
 6.20 手押し台車のチェーン取り付け効果
 6.21 静電気で吸着した塵埃の吸着力
 6.22 ESAによるパーティクルの付着
 6.23 イオナイザー選定時の留意点
 6.24 イオナイザーの保守・点検
 6.25 エミッター針への粒子付着
 6.26 静電気管理基準値のガイドライン
 6.27 現場での静電気対策の基本

第7章 製造ラインのクリーン化
 7.1 クリーンルーム機能以外のクリーン化
 (1)クリーンルームの効果的な維持・管理の基本
 (2)クリーンルームと一般作業室との比較
 (3)最低限必要な局所クリーン化のコンセプト
 (4)準クリーンルーム・一般作業室におけるクリーン化のアプローチ
 (5)準クリーンルーム・一般作業室におけるクリーン化のガイドライン
 (6)SPCクラスと作業室のクリーン化グレードとの関係
 (7)一般室のクリーン化対策ガイドラインに基づく実施項目
 7.2 製造現場でのクリーン化技術
 (1)持ち込み品の管理
 (2)ゴミ(塵埃)が見つかり易いところ
 (3)装置と設備の配置と注意点
 (4)製造装置や関連設備の注意項目と保全
 (5)現場で役立つクリーン化標語
 (6)一般作業室のクリーン化改善事例
 (7)改善すべき作業者の服装および足の置き方
 (8)簡易ミニエンブースの導入事例

第8章 作業員の教育
 8.1 作業員の教育の基本
 (1)クリーン化に求められる姿勢
 (2)クリーン化教育の重要項目
 (3)クリーンルームに入ってはいけない人とは
 (4)作業員の衛生管理の基本
 (5)クリーンルームの日常管理
 8.2 6Sの見直しと新6S
 (1)6Sの定義と見直し
 (2)新6Sの定義に基づく整理とは
 (3)新6Sの定義に基づく整頓とは
 (4)新6Sの定義に基づく躾・習慣とは

第9章 クリーン化のソフト対策
 9.1 作業員とのコミュニケーション
 9.2 監査のポイント

第10章 清掃の基本
 10.1 清掃の基本と考え方
 10.2 清掃の種類と用具、評価
 10.3 掃除方法の基本
 (1)上から下へ
 (2)奥から手前へ
 (3)隅や狭い面から
 (4)まず大きなチリ・ホコリ取り
 (5)拭き取り痕がないように掃除する
 (6)汚れの種類で洗剤を変える
 (7)その他
 10.4 清掃のその他のチェックポイント
 (1)掃除用具の取り扱いおよび点検・管理の仕方
 (2)工具箱・工具のチェック
 (3)搬入装置の梱包解きと拭き取り作業
 10.5 掃除の原則と周期
 10.6 各拭き取り方法の効果
 10.7 一方向と往復拭き取りの違い
 10.8 清掃後の異物・塵埃のチェック
 10.9 LED光源を用いた異物・塵埃の見え方
 10.10 塵埃のモニタリングおよび可視化の方法

第11章 クリーン化改善委員会について

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【動画の種類】
 1.肘からの発塵
 2.袖部からの発塵
 3.溶着無塵手袋からの発塵
 4.軍手からの発塵
 5.軍手からの発塵(滑り止め付き)
 6.導電性手袋~の発塵
 7.拭き取り材(不織紙)からの発塵
 8.タオルからの発塵
 9.ノート端面からの発塵
 10.段ボール片からの発塵
 11.普通紙からの発塵
 12.ペットボトル上のタバコ煙の動き
 13.ペットボトル上のタバコ煙の動き(図55)
 14.プラスチック箱への釘打ち込み時の発塵
 15.無塵服頭部からの発塵
 16.ワイシャツからの発塵
 17.靴下からの発塵
 18.モップによる掃除の塵埃舞い上がり
 19.ポンピングによる発塵
 20.FFUからの気流の可視化(クリーンルーム機能)
 21.繊維屑の浮遊
 22.密閉空間内での塵埃の動き
 23.足踏み時の床からのガラスビーズの舞い上がり
 24.クリーンルーム用手袋の異物付着